ウッドデッキを経済的に作ろうとすれば,まず,流通している木材の性質を知ることが役に立ちます。
無理,無駄のない木材チョイスのために,ここの資料を活用してください。
曲げに耐える部材を梁(はり)といいます。
梁が撓む量は,材質(曲げヤング係数 E ) と 断面形状(断面二次モーメント I ) で決まり,この二つをかけた数値 E I に反比例します。
つまり E I が大きいほど,曲げに対して強いことになります。で,実際はどうなのか?
流通している主なデッキ材を対象に,電卓を叩いて,下の比較表を作成してみました。
杉の曲げヤング係数 E は,日本建築学会「木質構造設計規準(2002年版)」から,ハードウッドの曲げヤング係数 E は,木材ドットコムの世界の樹種データから引用しています。
断面二次モーメント I は,各サイズについて,次の公式を使って計算しました。
材質・寸法別の強度比較表 (woody_morita オリジナル) | ||||||||||||||
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E I (×10^9 N cm2) |
寸法 | 2×4 | 4×4 | 2×6 | 2×8 | 2×10 | I形鋼 | H形鋼 | 備考 | |||||
W(cm) | 4.0 | 9.0 | 3.0 | 2.5 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 | 5.0 | 7.5 | 10.0 | |||
H(cm) | 9.0 | 9.0 | 12.0 | 14.0 | 14.0 | 15.0 | 19.0 | 24.0 | 25.0 | 10.0 | 10.0 | |||
I(cm4) | 243 | 547 | 432 | 572 | 915 | 1,125 | 2,286 | 4,608 | 6,510 | 283 | 383 | |||
レッドシダー | E (KN/mm2) |
7.2 | 0.17 | 0.39 | 0.66 | 1.65 | 3.32 | |||||||
杉 | 7.5 | 0.18 | 0.41 | |||||||||||
サイプレス | 9.9 | 0.24 | 0.54 | 1.11 | 6.44 | |||||||||
イタウバ | 16.2 | 0.39 | 0.89 | 0.93 | ||||||||||
セランガンバツー | 20.1 | 0.49 | 1.10 | 1.15 | ||||||||||
ウリン | 18.3 | 0.44 | 1.00 | 0.79 | ||||||||||
イペ | 18.8 | 0.46 | 1.03 | 2.12 | ||||||||||
鉄 | 210.0 | 5.94 | 8.04 |
この表の E I の単位は, 10の9乗ニュートン平方センチ と読みます。
【黄色の E I 比較】 |
レッドシダーの2×6材( E I = 0.66) は,ハードウッドの2×4材( E I = 0.24〜0.46) より,強度があることがわかります。
つまり,デッキの根太にレッドシダーの2×6材を使うということは,経済的にも力学的にも「適材適所」ということですね。 |
【薄緑色の E 比較】 |
サイプレスの E = 9.9 は,ほかのハードウッド(セランガンバツー,ウリン,イペ)の E = 18〜20 に対して,約半分であり,レッドシダーや杉の
E = 7 より少し上回っている程度。 サイプレスの流通上の分類は「ハードウッド」ですが,中身は「ハードなウッド」とは言えませんね。 |
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